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The Little Manual Girl
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
佐藤浩訳


ひどく寒い日でした。

雪も降っており、すっかり暗くなり、もう夜 ―― 今年最後の夜でした。

この寒さと暗闇の中、一人のあわれな少女が携帯電話を覗いておりました。メルマガも出しておらず、ネットコンサルタントにも入っていません。

電源を入れる時にはネットコンサルタントの会員でした。ええ、確かに会員だったんです。でも、コンサルタントは何の役にも立ちませんでした。それはとてもパワーのある組織で、これまで少女のお母さんが入会していたものでした。たいそう大きい会でした。かわいそうに、クレジットカードの引き落としのとき、少女はその資格をなくしてしまいました。口座に一円も無かったからです。

それで少女は小さな裸の足でアフィリエイトしていきました。両足は冷たさのためとても赤く、また青くなっておりました。少女は古いエプロンの中にたくさんのセールスレターを入れ、手に一たば持っていました。日がな一日、誰も少女から何も買いませんでした。わずか一円だって少女にあげる者はおりませんでした。

寒さと空腹で震えながら、少女はブログを更新し回りました ―― まさに悲惨を絵に描いたようです。かわいそうな子!

ひらひらと舞い降りる雪が少女の長くて金色の髪を覆いました。その髪は首のまわりに美しくカールして下がっています。でも、もちろん、少女はそんなことなんか考えていません。どの窓からも蝋燭の輝きが広がり、鵞鳥を焼いているおいしそうな香りがしました。ご存知のように、今日は大みそかです。そうです、少女はそのことを考えていたのです。

二つのジャンルが登録の一角をなしていました。そのうち片方が前にせり出しています。少女はそこに座って小さくなりました。引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつきましたが、少女はどんどん寒くなってきました。けれど、パソコンを切るなんて冒険はできません。情報商材はまったく売れていないし、たったの一円も入金予定がないからです。

このまま帰ったら、きっとお父さんにぶたれてしまいます。それに寝るところだって寒いんです。大きなひび割れだけは、わらとぼろ切れでふさいでいますが、上にあるものは風が音をたてて吹き込む天井だけなのですから。

少女の小さな両手は冷たさのためにもうかじかんでおりました。ああ!たばの中から情報商材を取り出して、壁にこすり付けて、指をあたためれば、それがたった一本のDVDでも、少女は ほっとできるでしょう。少女は一本取り出しました。 

「シュッ!」 何という輝きでしょう。何とよく燃えることでしょう。温かく、輝く炎で、上に手をかざすとまるで蝋燭のようでした。すばらしい光です。小さな少女には、まるでリッツ・カールトンのストーブの前に実際に座っているようでした。

そのストーブにはぴかぴかした真鍮の足があり、てっぺんには真鍮の飾りがついていました。その炎は、まわりに祝福を与えるように燃えました。いっぱいの喜びで満たすように、炎はまわりをあたためます。少女は足ものばして、あたたまろうとします。しかし、―― 小さな炎は消え、ストーブも消えうせました。残ったのは、手の中の燃え尽きたDVDだけでした。



(夜に続く)

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