2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
嗅覚が最も原始的な本能に近い感覚であるということは、すでに書きました。

商業的にも「視覚=色」「聴覚=音」ほどは理論化が難しくまだまだ未解明の部分が多いものですが、匂いを色や音と組み合わせることによって、より大きなイマジネーションや衝動をコントロールできるものです。

この分野で初めて私に興味を投げかけてくれたのは、元コーセー化粧品・主任調香師であり「香りの話」という著作もある

宮下忠芳 氏でした。



18世紀にアルコールが発見され、それに香料が溶けることで、それまで錬金術師たちが原料を水に溶かして「ローズ水」とか「ネロリ水」と呼ばれる液体を得ていたのですが、いろいろな原料を調合して溶かすことが可能になった。

この新しい溶液アルコールの出現で今日のような香水ができるようになった。1860年ころ、ドイツのケルンで作られていた柑橘系の香水はオーデコロンと呼ばれ、現在の香水産業の原型になっているわけです。

「オー」はフランス語で水のこと。「コロン」はケルンのことですから、オーデコロン「ケルンの水」意味です。

匂いというのは約10万種類以上あるんです。しかし、それらが全部いい匂いというわけではない。

匂いは揮発性の物質で、ガラスとか鉄は匂いが無いはずですが、鉄が錆びると匂いがするようになる。二酸化鉄に変化して、それが嗅覚を刺激するわけです。

匂いにも音でいう波長があって、人間の聞こえる波長、見える波長の範囲と同様に、すごくいろんな化学物質がエヴァプレイトしているけれど、その中で嗅覚細胞に共振する物質だけで10万から20万種類あると言われています。

匂いというのは非常に面白くて、それぞれの化学物質によって蒸発度が違うでしょ。それらの一つ一つ匂いの質も強さも違う。そういうもののコンビネーションで何百、何千もの香料がからみあっているわけですから、蒸発の早い物質から順に遅い物質に従って分子量の重い物質が保留性として最後まで肌の上に残る。

匂いの調合というのは、オーケストラのコンダクターのようなものです。

(つづく)



テーマ:日記
ジャンル:アダルト
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...