2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
嗅覚が最も原始的な本能に近い感覚であるということは、すでに書きました。

商業的にも「視覚=色」「聴覚=音」ほどは理論化が難しくまだまだ未解明の部分が多いものですが、匂いを色や音と組 み合わせることによって、より大きなイマジネーションや衝動をコントロールできるものです。

この分野で初めて私に興味を投げかけてくれたのは、元コーセー化粧品・主任調香師であり「香りの話」という著作もある

宮下忠芳 氏でした。



人間の排せつ物は香料としては匂いが強すぎるけど、薄めると実にいい匂いなんですよ。

大便の中にあるインドールというのは、野路の匂いを代表しているなつかしいかんじがします。ジャスミンの香りの中にも 検出されていますね。

それからもうひとつ、普段は嫌な匂い、ゴミ箱を開けたときにツーンとくるスカトールの匂い、これもコーヒーの中に少し入ってい て、これが無いとコーヒーのあの焦げたような風味が出ません。

匂いというのは、人間との関係の中で、程度というのが非常に重要なんですね。

多すぎると嫌なものでも、100倍に薄めると、とてもいい香りになります。日本語の「匂い」「香り」という言葉は象徴的です。

「匂い」というのは程度の概念の無い全般的な嗅覚を刺激するものを言いますが、「香り」というと人間との関係の概念の入った匂いということになります。

だから、香水を作るという作業は、逆説的に人間を測っているという事になるんです。

(第一部終了)

関連記事
テーマ:日記
ジャンル:アダルト
コメント:
この記事へのコメント:
コメント:を投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック:
この記事のトラックバック URL
この記事へのトラックバック:
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...