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嗅覚が最も原始的な本能に近い感覚であるということは、すでに書きました。

商業的にも「視覚=色」「聴覚=音」ほどは理論化が難しくまだまだ未解明の部分が多いものですが、匂いを色や音と組み合わせることによって、より大きなイマジネーションや衝動をコントロールできるものです。

この分野で初めて私に興味を投げかけてくれたのは、元コーセー化粧品・主任調香師であり「香りの話」という著作もある

宮下忠芳 氏でした。



香りというものほど主観的なものはない。読みとる心の感じ方次第です。その人物の「経験」「教育」「人間性」によって受け取り方が違うんです。情報量がすごく多くて、どうとでも取れる。
科学者がその匂いをなぜ作れたのかとか、なぜこんなふうに匂うのかとか問うレベルではない。
完成した香水にひとつの生命を与える。生きたものとして人間に感動を与えるということは、そこに「芸術」としてのセンスが入っているということです。
香水は化学物質を芸術的にアレンジメントする最高のメディアだと思います。

未開地の人たちがリズム楽器で奏でる音楽には楽譜がない。モダンジャズにしても心臓の鼓動の何倍とか何分の一とかいうリズムが流れている。
タヒチ・チュニジア・ニューギニアなどの原住民が叩くリズム、あれと現代音楽のオーケストラが五線の上に書きとめられたものを共演してもリズムのインターバルが会う。
片方は教育がない。片方は教育がある。
しかし人間のオリジンを考えてみると脳をつかさどるなんらかの「原パターン」は存在している。
匂いにもそれは言える。匂いには教育がないんですよ。

絵画だったら、色同志の保護色関係とか構造とか。
音楽にも音階、ハーモニーなどの教育がありますが、
匂いにはこれがない。


だけどいろいろな調査をしてみると何割かの人はこの匂いは好き、嫌いだという片寄りが発生する。
ここが一番の疑問点だったのです。

大脳生理学の勉強もやってみたんですが、結局本能が嗅覚を支配していると思ったんです。

宮城音弥さんが「夢」という本で、
夢は瞬間的に見るもので、本能の中にあり普段は切断されていたデジタル型の記憶がアナログにつながり、その繋がり方がいろいろなイデアを出現させるといっています。
夢はそんなものだから、大脳に刺激を与えることによって今まで忘れていたものを感じ、再構築する。

匂いにも同じことがあります。
いい匂いだとか嫌いな臭いだとかは、その人間の育ってきた環境、幼い頃の思い出、大人になってからのエロスの世界。この要素にフィットした匂いが含まれている香りは成功します。

(続く)

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