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こんにちは。

言葉と言うものが人間のコミュニケーションの手段となってからどのくらいの月日が経過してきたのでしょうか。

現代においても、この不思議な意思の伝達方法は、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚を問わず、人の生死をも左右する重要なツールとなっています。

【真言密教の呪詛の術】 大威徳明王調伏護摩でも少し触れたのですが、

日本における呪文の最たるものは石神神社に伝わる物部氏の布瑠の言ですね。十種神宝 は、新羅の皇子・天の日槍の神宝とダブるイメージのものですが、天皇家の三種の神器に対応する、かつて天皇家より前に日本を支配していたニギハヤヒの子孫としての物部氏に伝わる秘儀の宝物です。

布瑠の言(ふるのこと)とは、「ひふみ祓詞」・「ひふみ神言」ともいい、死者蘇生の言霊といわれ、

『先代旧事本紀』の記述によれば、

「一二三四五六七八九十、布留部 由良由良止 布留部(ひと ふた み よ いつ む なな や ここの たり、ふるべ ゆらゆらと ふるべ)」

と唱える「ひふみの祓詞」や十種神宝の名前を唱えながらこれらの品々を振り動かせば、死人を生き返る呪力を発揮するといいます。

天皇の宮中祭祀は謎に包まれた部分が多いのですが、もっとも重要な新嘗祭の前日に「鎮魂祭」というのがあります。この中に「ミタマフリ」という儀式が天皇によって行われるのですが、これは魂を振る(揺り動かす)ことで力を再生させ、それを取り込むことで神であり人である天皇の力を蘇らせるものです。

これはおそらくは、天皇家に下った物部氏の祭祀が取り入れられたものであると思います。「国譲り」を行ったニギハヤヒと神武の間でどのような「密約」があったのかは謎ですが、日本の神道における神の概念は「魂」「物」の融合物です。

魂は霊、震える電磁波のように世界を包み、何かを依りしろとして振って降りる自然のパワー。
物はもののけの物。自然界に潜む人の力の及ばない雌伏するもう一つのパワーです。

先端物理学の世界と不思議と共通する日本人の神の概念ですね^^

十種神宝による呪術とは

『ミタマフリの伝承』三品彰英氏の説明
刀剣・鏡類は日神を招祷する呪具で大陸シャーマニズム系。比礼は人間の魂を振り起こしたりする招祷する呪布で海神にかかわる水の呪物。

『神楽の巫女舞い』三隅治雄氏
十種神宝とは強力な霊魂をいわい込める媒体足りうる神物であり、また神霊の憑依する依代そのもの。ユラユラと神宝を振るのは、神霊を先ず神宝に依り憑かせ、さらにその依り憑いた魂を人の体に来触させるための呪術。

『宮廷の歌舞』土橋寛氏
十種神宝の呪物を振り動かすのは衰えたタマを振り動かす模倣呪術であり、鎮魂祭で天皇の御衣を納れた御衣筥の蓋を少し開いて振り動かすのも、御衣は御魂代であるから、これと同じ呪法である。



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