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「自然科学というのは、一つにこの宇宙は単一の自然から成り立っているのよ。第二に、その自然には繰り返し起きる法則性がある。というものなの。」

代替医療師・陽子は本日のコーディネイトを撮影するために20坪もあるかと思える自宅のクローゼットをかき回しながら言う。

「たとえば、ラッセル・ホワイトヘッド・ヴィットゲンシュタインの論理実証主義においては、自然科学が世界を方程式に還元し、世界のすべてを記号論的に写し取ろうとする試みだったわけ。」

今日は旦那と子どもはオーストラリアに帰省中である。こういうときは素直に話を聞いているふりをするのが私のやりかただ。

EOウィルソン という社会生物学者は、人間の行動の相当部分は遺伝子レベルで規定されてあるので、遺伝子を解明すれば人間がわかるととき、心理学者や社会科学者や文学者と大論争を繰り広げたりしたし、最近だと人工知能の研究者から人間の精神活動は一種の計算であるのだから、やがてコンピュータも精神を持つという論調で物議を醸し出しているのよ。」

「そう?自分の心の動き、あの恋に落ちるときの魔法、美しい自然に感動する心、そうしたものがある方程式で解明されるっていやだなぁ。」

私は、彼女の背中のジッパーを下げながらあいまいに答えた。

「もしそう思うなら、あなたはすでに自然科学的な世界観からすこしずれたところに立って物事を見ているのよ。つまり自然科学では説明しきれない領域が人間の経験や精神の中には存在するのだという立場に立ってしまっているの。」

「ああ、つまり、この世界は二つの実在から成り立っている。それは物質的な世界と精神的な世界である。この精神的な世界を説明するためには自然科学とは別個な方法があると。これはいわゆる人文社会主義というわけだね。」

「で、この立場はとても厄介なものなの。」

そう。私はいつだって厄介ものさ。単純な法則性に還元できないものが人間の人間たるゆえんであるという立場だから、単純化して体系化することを拒否してしまう。そう。人間の数だけ世界を説明する方法があるということになるね。ある人は田渕氏を一番偉いといい、別の人は青山女史が最高だと言える。

「ふふふ、くすぐったいじゃないの。ここには大きな問題点があるのよ。」

「人文科学的な価値観では、簡単にまとめて順番に1から最後まで順位を付けることができない性質のものなの。にもかかわず、なんとか審議委員会とか富のインフルエンサーとかいった社会制度がすでに成立してしまい、成立してしまったからには「優劣の基準」を設定しないではいられない。ボードメンバーとか、参加基準とかね。」

「簡単じゃないの。文化的な価値は本質的に相互主観的な価値を持つものであるが、その評価においては一定の恣意の混入をまぬがれえない。にもかかわらず社会・制度が比較不可能なものを比較するという倒錯した状態をつくりあげ、この枠組みの中で、本来の生き生きした人間的な感動が閉じ込められてしまうということさ。」

彼女は背中の横が弱いようだ。

「し、自然科学のルールは単純なのよ。いかに最小限度の法則で世界を説明できるか。」

「対して人文科学ではいわゆる60億の所説をグループ化するカテゴリーの世界なの。そもそも比較できないことを前提に成り立っている世界のルールは、ある派閥の保証する人間性を維持していくためにはその派のルールを守らなければならなくなるわ。つまり人間性を保証しようして逆に窮屈になり、ルールにからめとられてしまう現象が起きやすいということね。」

「実存主義とかマルクス主義とか、数稽古の法則 とかだね。」

「大体、この立場に立つとき、「人間とは不可知な存在である」というテーゼを忘れてはいけないんだよ。私は人間の経済活動、あるいは経済学という学問自体は、純粋科学ではないと思うね。」

ムスク系の甘い香りが部屋に充満している。

そこに「再現性」「法則」などが存在しえないことは、かつてノーベル経済学賞受賞者たちを集めて派手に誕生したヘッジ・ファンドが、結局大赤字で倒産したことによってもわかりそうなものじゃないか。

「市場が方程式で動いているものなら、単純に連戦連勝も可能だが、実際に「最終判断」を行っているのが、神を信じるわけのわからない「人間」という生物だからさ。」

「ねえ。わけのわからないものを一瞬だけ理解したような気分になれる方法を私は知っているんだけど、試してみる?」

試してみたくない男を見たことがない。



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