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暗く重たい雨雲をくぐりぬけ、タクシーが新神戸駅に到着すると、ラジオのスピーカーからボブ・マーリィの歌が流れ出した。

私はこの春から大学で週に一回講義をしている。題目は「もし高校野球の女子マネージャーがフロイトを読んだら」というくだらないエロ講座である。

「関西学院まで。11時から講義があるんだ。急いでくれ。」

私は、小太りの運転手に告げた。

「まいどです。関西学院ですか。先生だけには特別に言いますが、私の去年の年収は1億円でした。

運転手は、何かをぼりぼりと貪り食いながら答えた。私は少し苛立ちながら、言う。

「君の年収なんかに興味はないよ。早く出してくれないか。」

「まいどです。私は常に下積みもなく、いきなり大先生として登場する男です。タクシーの運転手は仮の姿にすぎません。」

一つどうですか?と男は何かタブレットのような錠剤を私に示しながらにやりと愛想笑いをした。MDMAらしい。ちらりと私の脳裏に。ある疑念が浮かび上がるのを打ち消しながら、丁重に断りつつつ様子を見てみることにする。

「お願いだから、前を見て運転してくれないか。かつてITバブルの時代に、インターネット情報を扱いながらも、渋谷系のインチキサギ師軍団からも差別され、まともな起業家ととして認知してもらえない集団があったことを覚えているだろうか?いわゆるノウハウ屋といわれていた連中だ。馬券必勝カバラ術とか、パチスロでうはうは人生とか、インターネットは金のなる木とか、愚にもつかないビジネス書を出していた連中だ。」

「まいどです。もちろん覚えていますよ。現役釘師が教えるパチンコ「勝ち組」の条件とか、今でもアマゾンで検索すれば、そのあまりにひどいカスタマーレビューの数々に、逆に興味を刺激されて買う人もいるくらいですよ。けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ。」

怪鳥のように笑う彼の視線がふらついている。どうもバッドトリップしたようだ。

「そう。釘師でもないものが現役を名乗り、専門家を名乗る。このような集団は「お上品な」渋谷系のIT集団が崩壊を始めると同時に、そのうっせきされた被差別意識からか、稼ぎに稼ぎまくった。やがて彼らは情報起業家という名前を自らにつけることになる。しかし、その中でも目端の利く連中は、こんな商売が危険だということには気が付いていたんだ。」

「まいどです。そう頭の切れる連中は、自分のコンテンツ制作能力に限界を感じていたこともあって、当時一番の問題であった「課金決済」のサービスを提供する会社をつくりはじめたわけですよ。ほほほひほほほ。ぷう。」

私の疑惑は、徐々に確信へと変わっていった。

「家庭の主婦までがコンテンツビジネスに進出し始める時期に、当然、大手のカード会社は契約してくれない。そこで、海外カードと直接契約して、カード代行手数料として5~7%余分にもらうという商売だったが、結局のとこ、当時、ゲロの後の蛆のように湧いてだた インフォ○○という胡散臭い会社の中で、現在も動いているのは「トップ」だけだ。」

男は、焦点の合わない眼で私の方を見て叫んだ。

「まいどです。消費者保護センターや弁護士のせいでさ。詐欺同然の情報商材とはいえ、返金保証の代金を、雲隠れした業者ではなく、プラットフォーム事業者に対しても要求し始めてきた。でもね、先生、真に目端の聞く奴は、そんな会社の代表には就任してはいないし、こういう事件のさなかにも、すでにパワーブロガーの芽は萌芽し始めていたんだよ。ふひひひひひひひひひひひひひひ。ひひひ。ひ。」

そうだったのだ。伝説の釘師は、まったく下積みもなく、いきなり集客の大先生として再登場してきたのだ。今でもブラインドタッチのできないその男は、アメーバの登録をするだけで優に2時間もかかった。
かれは用意周到な男で、ありえない稼ぎ方@アマゾンを現実のものにしていく。人差し指で、一文字一文字、アメーバのブログに歴史的な登場となる文章を入力していったのだ。



「まいどです。」



パワーブロガーを撃ってしまった
でも助手は撃ってない
パワーブロガーを撃ってしまった
でも助手は撃ってないよ

俺の地元の至る所で
奴ら、俺を追い詰めようとしている

奴らは俺を有罪にしたいってさ
パワーブロガー殺しでね
パワーブロガーの命と引き換えだって
でも、俺は言うんだ

パワーブロガーを撃ってしまった
でもそれは誓って、正当防衛だったんだ...って
パワーブロガーを撃ってしまった
そして、奴らは俺を死罪だって言うんだ

パワーブロガーのジョン・ブラウンはいつも俺をひどく嫌っていた
俺にはそれがなぜだか分からないんだが
俺が何かやり始めようとすると決まって
彼は、「事が大きくなる前に始末しろ」って言ったんだ
彼は、「事が大きくなる前に始末しろ」ってね
俺は言うんだ

パワーブロガーを撃ってしまった
でもそれは誓って、正当防衛だった
パワーブロガーを撃ってしまった
でもそれは誓って、正当防衛だったんだ...って

ある日、自由になれたんで
町から飛び出したんだ
突然、俺を撃ち殺そうと狙っているパワーブロガーのジョン・ブラウンが見えて
それで撃ったんだ、彼を撃ち殺しちまった
俺は言うんだ

パワーブロガーを撃ってしまった
でも助手は撃ってない
パワーブロガーを撃ってしまった
でも助手は撃ってないよ...って

つい反射的にそうなって
運命ってヤツかな
毎日バケツは井戸に下りるんだけど
でも、ある日、その底が抜けるのさ
そう、いつか、底が抜けるんだ
でも、俺は言うんだ

パワーブロガーを撃ってしまった
でも助手は撃ってない
あーあ
パワーブロガーを撃ってしまった
でも助手は撃ってない...って
あーあ

来週は「パワーブロガーの誕生・序章3・アフィリ王子の憂鬱」です。お楽しみに^^
テーマ:日記
ジャンル:アダルト
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