2012-01-12 (木)
日が暮れてもお爺さんがなかなか戻らないので、お婆さんは、
「ふん。今日は金津園かい。」
とぶつぶつ言っているところへ、おみやげのつづらを背負って、お爺さんが帰って来ました。
「お爺さん、今ごろまでどこに何をしていたんですね。」
「まあ、そんなにお怒りでないよ。今日は六本木ヒルズへ尋ねて行って、沢山ご馳走になったり、情報起業家踊りを見せてもらったりした上に、このとおり立派なおみやげをもらって来たのだよ。」
こう言ってつづらを下ろすと、お婆さんは急ににこにこしながら、
「まあ、それはようございましたねえ。いったい何が入っているのでしょう。」
と言って、早速つづらの蓋をあけますと、中から目の覚めるような金銀さんごや、宝珠の玉が出てきました。それを見るとお爺さんは、得意らしい顔をして言いました。
「なにね、情報起業家は重いつづらと軽いつづらと二つ出して、どちらがいいというから、私は年はとっているし、道も遠いから、軽いつづらにしようと言ってもらってきたのだが、こんなにいいものが入っていようとは思わなかった。」
するとお婆さんは急にまたふくれっ面をして、
「情弱なお爺さん。なぜ重い方をもらってこなかったのです。その方がきっとたくさん、いいものが入っていたでしょうに。」
「まあ、そう欲ばるものではないよ。これだけいいものが入っていれば、十分ではないか。」
「どうして十分なものですか。よしよし、これから行って、わたしが重いつづらの方ももらってきます。」
と言って、お爺さんが止めるのも聞かず、ペタ返しもしないで、すぐに家をとび出しました。
もう外はまっ暗になっていましたが、お婆さんは欲ばった一心で無茶苦茶に杖をつき立てながら、
「情報起業家、お宿はどこだ、チュウ、チュウ、チュウ。」
と言い言い尋ねて行きました。野を越え、山を越えて、また野を越えて、山を越えて、東京都港区六本木6-10-1へ出ました。するとヒルズ中から、
「情報起業家、お宿はここよ。チュウ、チュウ、チュウ。」
という声がしました。お婆さんは「しめた。」と思って、声のする方へ歩いて行きますと、舌を切られた情報起業家が今度も平行輸入中古のベントレーをあけて出てきました。そして優しく、
「まあ、お婆さんでしたか。よくいらっしゃいました。」
と言って、ヒルズの中へ案内をしました。そして、
「さあ、どうぞお上がり下さいまし。」
とお婆さんの手を取ってレジデンスへ上げようとしましたが、お婆さんは何だかせわしそうにきょときょと見まわしてばかりいて、落ち着いて座ろうともしませんでした。
「いいえ、お前さんの無事な顔を見ればそれで用は済んだのだから、もうかまっておくれでない。それよりか早くおみやげをもらって、おいとましましょう。」
いきなりおみやげのさいそくをされたので、情報起業家はまあ欲の深いお婆さんだと呆れてしまいましたが、お婆さんは平気な顔で、
「さあ、早くして下さいよ。」
と、じれったそうに言うものですから、
「はい、はい、それではしばらくお待ち下さいまし。今おみやげを持ってまいりますから。」
と言って、奥からつづらを二つ出してきました。
「さあ、それでは重い方と軽い方と二つありますから、どちらでもよろしい方をお持ち下さい。」
「それはむろん、重い方をもらっていきますよ。」
と言うなりお婆さんは、重いつづらを背中にしょい上げて挨拶もそこそこに出ていきました。
お婆さんは重いつづらを首尾よくもらったものの、それでなくっても重いつづらが、背負って歩いて行くうちにどんどん、どんどん重くなって、さすがに強情なおばあさんも、もう肩が抜けて腰の骨が折れそうになりました。それでも、
「重いだけに宝がよけい入っているのだから、本当に楽しみだ。いったいどんなものが入っているのだろう。ここらでちょいと一休みして、試しに少しあけてみよう。」
こう独り言を言いながら、ザ・リッツ・カールトン東京 カフェ&デリの椅子の上に「どっこいしょ。」と腰をかけて、つづらを下ろして、急いで蓋をあけてみました。
するとどうでしょう、中を目の眩むような金銀さんごと思いの外、三つ目小僧だの、がま入道だの、いろいろな無料オファー・プロダクトランチ がにょろにょろ、にょろにょろ飛び出して来るではありませんか。
無料オファーの構造は、
メールアドレスを１件７００円で１万人集めると７００万円の出費になりますが、この１万人のアドレスから１％の１００人に２０万円のセミナーを売りつける事が出来れば２０００万円の売り上げで、そこから費用を払うと言うものです。
当初は登録する人も、すれていない人が多く旨みがあったのですが、最近ではかなり際どい商売になっています。
というのも、お金のない人が、インフォ●●を使用してこれをやる場合、「売り上げ」入金の後にアフェリエイト費用を払うと言う期間設定にするのですが、これがなかなかプラスにならず、近々大きなバーストになる人も出てきそうな始末です。
また、自分でアフィリエイトの仕組みを持っている人は、「有効なアドレスでは無かった」とか難癖をつけて支払額を調整したり、なんやかやと支払期日をずらす事もし始めている事がうっすらと見抜かれ始めているからです。
あまりの恐ろしさに、
「大変だ、大変だ。助けてくれ。」
とお婆さんは金切り声を上げて、一生懸命逃げ出しました。そしてやっとのことで、半分死んだようにまっ青になって、家の中にかけ込みますと、お爺さんはびっくりして、
「どうした、どうした。」
と言いました。お婆さんはこれこれの目にあったと話して、「ああもう、コンサルタント商法はこりごりだ。」と言いますと、お爺さんは気の毒そうに、
「やれやれ、それは酷い目にあったな。だからあんまりブログ集客をしたり、あんまり欲ばったりするものではない。」と言いました。
めでたしめでたし＾＾
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「お爺さん、今ごろまでどこに何をしていたんですね。」
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「まあ、それはようございましたねえ。いったい何が入っているのでしょう。」
と言って、早速つづらの蓋をあけますと、中から目の覚めるような金銀さんごや、宝珠の玉が出てきました。それを見るとお爺さんは、得意らしい顔をして言いました。
「なにね、情報起業家は重いつづらと軽いつづらと二つ出して、どちらがいいというから、私は年はとっているし、道も遠いから、軽いつづらにしようと言ってもらってきたのだが、こんなにいいものが入っていようとは思わなかった。」
するとお婆さんは急にまたふくれっ面をして、
「情弱なお爺さん。なぜ重い方をもらってこなかったのです。その方がきっとたくさん、いいものが入っていたでしょうに。」
「まあ、そう欲ばるものではないよ。これだけいいものが入っていれば、十分ではないか。」
「どうして十分なものですか。よしよし、これから行って、わたしが重いつづらの方ももらってきます。」
と言って、お爺さんが止めるのも聞かず、ペタ返しもしないで、すぐに家をとび出しました。
もう外はまっ暗になっていましたが、お婆さんは欲ばった一心で無茶苦茶に杖をつき立てながら、
「情報起業家、お宿はどこだ、チュウ、チュウ、チュウ。」
と言い言い尋ねて行きました。野を越え、山を越えて、また野を越えて、山を越えて、東京都港区六本木6-10-1へ出ました。するとヒルズ中から、
「情報起業家、お宿はここよ。チュウ、チュウ、チュウ。」
という声がしました。お婆さんは「しめた。」と思って、声のする方へ歩いて行きますと、舌を切られた情報起業家が今度も平行輸入中古のベントレーをあけて出てきました。そして優しく、
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と言って、ヒルズの中へ案内をしました。そして、
「さあ、どうぞお上がり下さいまし。」
とお婆さんの手を取ってレジデンスへ上げようとしましたが、お婆さんは何だかせわしそうにきょときょと見まわしてばかりいて、落ち着いて座ろうともしませんでした。
「いいえ、お前さんの無事な顔を見ればそれで用は済んだのだから、もうかまっておくれでない。それよりか早くおみやげをもらって、おいとましましょう。」
いきなりおみやげのさいそくをされたので、情報起業家はまあ欲の深いお婆さんだと呆れてしまいましたが、お婆さんは平気な顔で、
「さあ、早くして下さいよ。」
と、じれったそうに言うものですから、
「はい、はい、それではしばらくお待ち下さいまし。今おみやげを持ってまいりますから。」
と言って、奥からつづらを二つ出してきました。
「さあ、それでは重い方と軽い方と二つありますから、どちらでもよろしい方をお持ち下さい。」
「それはむろん、重い方をもらっていきますよ。」
と言うなりお婆さんは、重いつづらを背中にしょい上げて挨拶もそこそこに出ていきました。
お婆さんは重いつづらを首尾よくもらったものの、それでなくっても重いつづらが、背負って歩いて行くうちにどんどん、どんどん重くなって、さすがに強情なおばあさんも、もう肩が抜けて腰の骨が折れそうになりました。それでも、
「重いだけに宝がよけい入っているのだから、本当に楽しみだ。いったいどんなものが入っているのだろう。ここらでちょいと一休みして、試しに少しあけてみよう。」
こう独り言を言いながら、ザ・リッツ・カールトン東京 カフェ&デリの椅子の上に「どっこいしょ。」と腰をかけて、つづらを下ろして、急いで蓋をあけてみました。
するとどうでしょう、中を目の眩むような金銀さんごと思いの外、三つ目小僧だの、がま入道だの、いろいろな無料オファー・プロダクトランチ がにょろにょろ、にょろにょろ飛び出して来るではありませんか。
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メールアドレスを１件７００円で１万人集めると７００万円の出費になりますが、この１万人のアドレスから１％の１００人に２０万円のセミナーを売りつける事が出来れば２０００万円の売り上げで、そこから費用を払うと言うものです。
当初は登録する人も、すれていない人が多く旨みがあったのですが、最近ではかなり際どい商売になっています。
というのも、お金のない人が、インフォ●●を使用してこれをやる場合、「売り上げ」入金の後にアフェリエイト費用を払うと言う期間設定にするのですが、これがなかなかプラスにならず、近々大きなバーストになる人も出てきそうな始末です。
また、自分でアフィリエイトの仕組みを持っている人は、「有効なアドレスでは無かった」とか難癖をつけて支払額を調整したり、なんやかやと支払期日をずらす事もし始めている事がうっすらと見抜かれ始めているからです。
あまりの恐ろしさに、
「大変だ、大変だ。助けてくれ。」
とお婆さんは金切り声を上げて、一生懸命逃げ出しました。そしてやっとのことで、半分死んだようにまっ青になって、家の中にかけ込みますと、お爺さんはびっくりして、
「どうした、どうした。」
と言いました。お婆さんはこれこれの目にあったと話して、「ああもう、コンサルタント商法はこりごりだ。」と言いますと、お爺さんは気の毒そうに、
「やれやれ、それは酷い目にあったな。だからあんまりブログ集客をしたり、あんまり欲ばったりするものではない。」と言いました。
めでたしめでたし＾＾
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