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こんにちは。佐藤です。

とりあえずは習作で一通り書き下してみます。完成した後、手を加えてまとめようと思います。

【秘境列島1(習作)・プロローグ】

ヒント別冊【秘境列島2(習作)・プロローグ】

の続きです。



一人残された安曇茂隆は、再び石段の上を見つめた。ここから沖津宮の社殿までは、少なくとも20分はかかるだろう。もはや助かる見込みは無いことを悟る。不思議と死に対する恐怖は無く、何か他人事のように空から俯瞰している自分を意識する。今、彼の心を捉えていたのは死に対する恐怖ではなく、彼にとっては自分の存在証明ともなるもっと大きな恐怖だった。

なんとかして秘密を残さなければいけない。

震える肩に力を入れて、殺された二人の同胞を思い描いた。そして何台も続く祖先のことも。そして自分がこの世界に生きている理由と役割についても。

途切れることなく守り抜かれた真実の歴史。

かの密約以来、ずっと守られてきた真実が、後数分でこの世から消滅してしまうのだ。どんなときも周到に、強固な意志によって受け継がれてきた使命は、今や自分の肉体と共に消滅しようとしている。激しい焦燥感が彼を襲う。

茂隆はゆらゆらと石段を這い上がり始めた。

なんとか方法を見つけ出さなくてはいけない・・

この玄界灘の孤島では、希望の光をたくせる相手はただ一人しか思い浮かなかった。茂隆は、この古代遺跡の集積した亜熱帯植物のオオタニワタリやビロウが群生する天然の死刑台を、ゆっくりと上っていった。

痛みは脳内のアドレナリンが消してくれているようである。朦朧とした意識の中で、自分の残り時間と伝えうる真実の秘密について計算するのだった。



第一章・名古屋にて



久しぶりの雪だった。向かいの白木の本殿にも、ふわふわした雪が降り積もり、やかてそれはミリミリと社殿の屋根を圧迫して、軒の蔭から伸びたつららの陰影をくっきりと映し出していた。
寒々とした部屋の窓絡みえる境内は、先月の初詣の賑わいとは打って変わって、ひっそりとした朝を迎えている。

佐藤浩は何をするでもなくぼんやりと窓の外を眺めている。朝のお勤めが終わって今日の予定は午後の祈祷だけだった。やはり下の石段を少し削ってコインパーキングにしたほうが良いのかな、などと考えながら、パソコンの電源を入れた。ブログを更新しなければいけない。

ブログは特別神社関係とは無関係の単なる思いついたその日のテーマやら、日本と朝鮮半島の古代史に関するものである。彼がこの神社に採用されてからもう7年になるが、その前から継続している日課みたいなものであった。

彼は普通の大学で経済学を学び、一旦はサラリーマン生活を送っていたのだが、もともと古文書を読むのが好きだったこともあって、大学の神道学科に入りなおし、資格を取った後、恩師の斡旋で、地元に近いこの神社に採用されたというわけである。



日々の発想のヒント!先生業のネタ本。



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