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こんにちは。

とりあえずは習作で一通り書き下してみます。完成した後、手を加えてまとめようと思います。

【秘境列島7(習作)・第一章名古屋にて】

ヒント別冊【秘境列島8(習作)・第一章名古屋にて】

の続きです^^



禰宜の藤村に日程を確認するやあわただしく帰っていった清水肇が持ってきたお土産は、北海道の六花亭のバターサンドだった。レーズン入りでほのかにアルコールの匂いがする。何も聞かなかったが、札幌にも行ってきたらしい。

売店で破魔矢を売っていた巫女が二人、途中で部屋に入ってきてマルセイユ・バターサンドをもらって出て行った。藤村禰宜だけが残って、黙ってバターサンドに手を出した。藤村正宏は、実質的にこの神社を切り盛りしている先代からの幹部だが、動作の一つ一つがまるで芝居デモしているかのように気障な立ち振る舞いだ。彼は佐藤が知っている人間の中では最も無口な男の一人でもあった。

「先生、もう一度、コーヒーを煎れなおします?」陽子が聞く。

佐藤は頷いた。「仕事してるのだろうか。ほとんど旅行ばかりで地元にはいない・・」

「大丈夫ですかね、来月の休暇は?」佐藤は黙々と六花亭のマルセイユ・バターサンドを食べている藤村に聞く。

「一週間くらいなら何とかしますよ」無表情のまま、藤村が答えた。

「大学の講義も1回くらいなら振り替えるので、中盤で予定しておいてください・・」佐藤が頼むと、藤村は軽く頷いた。

「お雛様までには帰ってきてください」藤村はそういってドアに近づいた。「私、仕事が途中なもので・・・」

藤村は、部屋から出て行った。彼は挨拶をほとんどしない。挨拶は無駄だと考えているようだった。

「なんだ、二人分コーヒー炒れたのに・・・」陽子が小声で言った。「このお菓子、酔いますね」

「さて、さっきの話の続きをしよう。青山君」佐藤は立ち上がって、カップにコーヒーを注ぎにいった。「変死した宗像さんは君の叔父さんに当たる人だったんだね・・・」

「私、ぜんぜん知らないんです。母からも聞いたこと無いし」陽子が答えた。

「お母さんが九州出身だと聞いたことはあるんだけど、そうすると畑岡宮司と兄弟なのかな・・・」

「いえ、警部補さんの話では畑岡さんとは関係ないらしいです。事情も聴取していないということみたいで・・・」

「いちど聞いてみよう」

「ええ。警察の人にも言ったんですけど、九州でもほとんど親戚付き合いも無くて、物心ついたときから母と二人住まいでしたけど、一度もお会いしたことは無いんです」

佐藤はぼんやりと窓を眺める。

「あの島、なんて名前だっけ?宗像隆茂氏が変死した島」

「沖ノ島です」陽子がすぐに答える。

「僕、大学の時に一度行ったたった事があるんだ」佐藤は窓を見たまま言った。

「え?でも、あの島は・・・、宗像神社の神領じゃなかったですか?」

「大祭に応募して当たったんだよ。200人くらいで海を渡って行ったんだ」

「先生、来月韓国へ行かれるんですよね。予定を変更して沖ノ島に行きましょうよ」陽子が思いついたように言った。「それに、島には渡れませんが、私も一緒について行きたいです。そうだわ。何か思い出すこともあるかもしれないし」

「だって、大祭に申し込んでいるわけじゃないんだよ。青山君。宗像神社の私有地なんだから」佐藤は言った。

「なんとかしてみます」陽子がうれしそうに言う。

「なんとかったって・・・。女人禁制だし」

「私が入るのは無理かもしれないですが、先生なら入れるんじゃないですか。警部補さんに頼んで見ます」陽子は自身ありげに言った。



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